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値上げ率の計算で間違えたくない人向け

値上げ率の計算方法で間違えやすいところ

値上げ率の式そのものは単純です。実際に間違いが起きるのは、利益率と混同した時、税込と税抜が混ざった時、複数回の改定を足し算してしまった時です。

実務メモ

  • 税込価格で計算するか税抜価格で計算するかを混ぜないようにします。
  • 値上げ率と利益増加率は同じではありません。
  • 必要利益から逆算する時は、客数減少の余白も入れます。

値上げ率と利益率は別物

10%値上げしても、利益が10%増えるわけではありません。8,000円のメニューで原価が2,400円(原価率30%)なら、粗利は5,600円です。10%値上げして8,800円にすると粗利は6,400円になり、粗利の増加率は約14%です。

逆に、利益を10%増やしたいからといって10%の値上げが必要とは限りません。原価が価格と連動しない部分では、値上げ分がそのまま粗利に乗るためです。値上げ率と利益の増え方は別々に計算します。

計算式そのものと、Excelでの入力方法は値上げ率計算ツールのページにまとめています。ここでは式を使う時に起きる間違いを扱います。

税込と税抜を混ぜない

計算でよく起きるミスは、現在価格は税込、改定後価格は税抜で見てしまうことです。価格表は税込、原価表は税抜、予約サイトはまた別、という状態だと混ざりやすくなります。

税込8,800円を税抜8,000円と比べると、値上げ率は0%のはずが10%と出てしまいます。お客様に見える価格で判断するなら税込、利益計算をするなら税抜、と目的に合わせて片方に揃えます。

消費税率が変わった年をまたいで比較する場合も同じです。税率変更による値上がりと、店側の価格改定による値上がりを分けて見ないと、お客様への説明が食い違います。

必要利益から逆算する

月の利益を10万円増やしたい場合、客数で割れば単純な必要額は出ます。月100人なら1人あたり1,000円です。ただし、原価や決済手数料も一緒に増えるため、そのままでは足りないことがあります。

原価率30%のメニューなら、1,000円の値上げで手元に残るのは700円程度です。目標の10万円に届かせるには、1人あたり1,400円前後の余白を見ます。決済手数料が3%かかるなら、さらに少し上乗せします。

値上げ率は最後に出す数字です。先に必要利益、客数、原価率、失客許容ラインを確認すると、無理のない改定幅に近づきます。

原価上昇分をどこまで転嫁するか

材料費が10%上がったからといって、価格を10%上げる必要はありません。価格に占める原価の割合の分だけ影響するためです。原価率30%のメニューで材料費が10%上がった場合、影響は価格の3%分です。

つまり、原価上昇分をちょうど吸収するだけなら3%の改定で足ります。ただし、これは利益が改定前と同じ金額に戻るだけの水準です。人件費や光熱費も同時に上がっているなら、その分を別に足します。

全部を一度に転嫁できない場合は、影響の大きいメニューから順に見直します。原価率が高いメニューほど、材料費上昇の影響を強く受けます。

連続値上げは足し算しない

10%値上げした後に、さらに10%値上げすると、合計20%ではなく21%です。1,000円を10%上げると1,100円、そこから10%上げると1,210円になります。2回目の10%は1,100円に対してかかるためです。

複数回の価格改定をまとめて見る時は、最初の価格と最後の価格を比べて累積の値上げ率を計算します。前回比だけを見ると、常連客から見た上がり幅を小さく見積もることがあります。

2年前から通っているお客様は、前回比ではなく2年前の価格と比べます。累積で何%上がったかを把握しておくと、問い合わせがあった時に落ち着いて答えられます。

よくある計算ミス

一番多いミスは、差額を旧価格ではなく新価格で割ることです。1,000円を1,200円にした場合、正しくは200円 ÷ 1,000円 = 20%で、新価格で割ると約16.7%になってしまいます。値下げ率と混同した時に起きやすい間違いです。

表計算ソフトで最後に100を掛けると、結果は20になります。20ではなく20%として見せたいなら、100を掛けずにセルの表示形式をパーセンテージにする方が安全です。100を掛けたうえでパーセント表示にすると2000%と出ます。

端数処理の順番も間違いのもとです。先に価格を丸めてから率を出すのと、率を出してから価格を丸めるのでは、表に載る数字が変わります。価格表を作る時は、丸めた後の価格で率を出し直します。

すぐ確認すること

  • 現在価格と改定後価格の税込、税抜を揃える
  • 値上げ率と粗利の増え方を別々に計算する
  • 原価率から、原価上昇分を吸収できる最低ラインを出す
  • 必要利益から逆算した値上げ幅も見る
  • 複数回改定した場合は最初の価格と比べて累積率を出す
  • 客数が減った場合の利益を確認する

利益率との違い

8,000円、原価率30%のメニューを10%値上げすると、粗利は5,600円から6,400円になります。値上げ率10%に対して、粗利の増加率は約14%です。

逆算の考え方

月100人の来店で利益を10万円増やしたいなら、単純には1人あたり1,000円が必要です。原価が増えるメニューなら、1,400円前後の余白を見ます。

原価転嫁

原価率30%のメニューで材料費が10%上がった場合、価格への影響は3%分です。利益を戻すだけなら3%、他の費用も吸収するならそれ以上を見ます。